発言 1
この発言の公式記録◆15番(わたなべ友貴議員) 私は、杉並区議会自由民主党のわたなべ友貴です。通告に従い、区政一般について質問をいたします。 質問項目は大きく3点、1指定管理者制度について、2区内興行場の安全対策について、3商店街振興施策、とりわけ本日はキャッシュレス決済の推進について伺ってまいります。よろしくお願いいたします。 まずは、指定管理者制度について伺ってまいります。 指定管理者制度は、公の施設の管理運営を民間事業者に行わせることのできる制度です。その趣旨は、民間事業者のノウハウを活用することで、多様化する区民ニーズに的確に対応し、施設の管理経費を縮減するとともに、サービスの向上を図り、施設の設置目的を効果的に達成することです。 自治体は、民間事業者のノウハウを最大限に活用するため、指定管理者の管理運営に柔軟性を持たせることができます。しかし、公共性の最終的な担保は施設の設置責任者である自治体に帰属しますので、適時適切に業務が行われているのかチェックをする必要があります。 そこで、まず、区は、指定管理者による公の施設の管理運営に対する履行確認をどのように行っているのか、また、履行確認時に問題を確認して改善指導を行った実績はあるのか、伺います。 指定管理期間が終了すると、事業者の再公募が行われることが一般的です。私は、この再公募が現行の指定管理者に有利過ぎる仕組みになっていないか、不安を覚えています。 現行の指定管理者は、自主事業の一環としてワークショップを開催したり、地域貢献として地域イベントなどへの積極的な参加や場所の提供といった協力をしたりすることもあります。再公募の際、こうした活動が加点事由になるのであれば、現行の指定管理者が再公募に応募した場合には、頭一つリードした状態から選考がスタートされることになります。 もちろん、指定管理期間の実績を全く考慮するべきではないとは私も思いません。しかし、もし仮に新規事業者が公募に手を挙げることをためらうほどに実績が加点の対象となっているのであれば、制度としては改めるべきではないかと私は思います。なぜなら、競争原理の働かないような公募では、民間事業者同士が切磋琢磨することを期待できず、区民に対するよりよいサービスの提供につながらないからです。また、いい実績が加点事由になるのであれば、改善指導が行われたような悪い実績は逆に減点事由とならなければ、バランスを欠きます。 指定管理者は、数人の選考委員会による非公開の会議によって選ばれます。結果は、私たちの選挙の得票数のように客観的に表すことができませんので、せめて選考における評価の考え方は、可能な限り明確であるべきではないかと思います。 そこで、指定管理期間満了後に再公募をした際、当指定管理者が再選考されてきた実績、また、再公募前の指定管理者が再度応募した場合でも指定管理者が交代した事例があれば、お示しください。加えて、再度応募した指定管理者が、過去に区から同施設の管理運営に関し改善指導を受けていた場合の、再選考時の評価の考え方についても伺います。 指定管理事業者は、最終的には議会の議決を経て決定し、その後、自治体と協定を結びます。協定には、業務内容や事業者の権利義務が具体的に書き込まれることとなっておりますが、締結までの交渉プロセスでどれだけ明確な内容に近づけることができるのかが重要です。なぜなら、協定から読み取ることのできないような事象によって問題が生じたときに、その取扱いが困難になるからです。 こうした場合に備えて、一般的に協定には明記されていない事由をその都度協議しながら解決するという協議事項を設けていますが、お互いに納得のいく結果になる保証はありません。協定内容を明確にする際に、大前提となるのは、管理運営の対象が公の施設であるということです。地方自治法244条によれば、公の施設とは、「住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設」と定義されています。つまり、協定は、住民福祉の増進という目的の達成に寄与するものでなくてはいけません。 もっとも、この住民福祉の増進という抽象的な概念を、どのように協定の中に落とし込むべきなのでしょうか。例えば、住民福祉の増進のためには、施設の公正中立な運営が当然求められますが、果たして、それすらも協定に明文化する必要があるのでしょうか。また、仮に明文化しなかったならば、これに違反した場合の責任を指定管理者に負わせることはできなくなってしまうのでしょうか。こうした、わざわざ言うまでもないようなことまでも明文化しておくことが求められるとするならば、協定の内容は膨大なものになってしまうと思います。 そこで、区は、公の施設の管理運営に関して、地方自治法244条の規定を踏まえ、指定管理者とどのような協定を締結しているのか、伺います。 協定とは、自治体と事業者の約束であり、両者の信頼関係の礎です。人間関係と同じで、約束を守ることは、関係継続のための最低限のルールです。しかし、もし指定管理者がその最低限のルールを破ったような場合、すなわち協定を逸脱するような行為を行った場合には、自治体と指定管理者の信頼関係はあっという間に壊れてしまいます。 このような事態に陥ってしまったとき、自治体は、関係修復のために手を打つことはもちろん必要です。一方で、施設の設置責任者として、万が一にも利用者である区民が不利益を被るようなことがないように、指定管理者に対して厳格な対応を取ることも必要であると私は考えます。 そこで、指定管理者が協定に定めたルールを逸脱するような行為を行った場合にどのような対応をしていくのか、今後の区の姿勢を伺います。 次に、区内の劇場やライブハウスなどの、いわゆる興行場の安全対策について伺います。 区内には数多くの小劇場やライブハウスが点在しています。私もよく、好きなタレントのトークライブや、友人が演奏するバンドのライブを聴きに行きます。良好な住宅都市でありながら、小劇場やライブハウスが多く点在する懐の深さは、杉並の特徴の1つです。とりわけ、小さな劇団や芸人の方が多く集まるディープでマニアックな文化は、杉並の魅力でもあり、区としてこれからも大切にしていくべきだと考えます。 そうした立場から、以下、質問をしてまいります。 まず、映画、演劇、音楽、スポーツ、演芸または見世物を公衆に見せまたは聴かせる施設である興行場の営業をするためには、区の保健所による興行場法の営業許可が必要になります。区の興行場のてびきによると、保健所は2つの要件を満たした場合に申請者に対して営業許可を与えています。1つは興行場法の衛生基準の適合性、もう一つは消防関係法令の遵守です。後者は、保健所が検査するのではなく、消防機関から危機管理上安全との確認を取ることで、要件充足性を担保しています。 そこで、まず、保健所が営業許可を出している区内の小規模劇場の数、そしてその推移を確認いたします。 もっとも、興行場として演劇や音楽、イベントの上演をする場合でも、月4日程度しか興行を行わない場合や、飲食、物販が主なサービスで、興行行為が副次的なものである場合には、保健所が個別に興行場法の適用を除外する判断ができます。千代田区では、興行行為が主なサービスと判断される場合には興行場法が適用されるという基準で、適用除外の有無を判断しています。例えば、飲食店であっても、そこで行うイベントがチケット代を取る場合や、ドリンク、フードの購入を義務づけるような場合には、食品衛生法の許可ではなく、興行場法の営業許可が必要になるという運用です。 私がよく行く杉並区内のライブハウスでは、まさに、イベントのチケットを事前にインターネットサイトで購入したり、同時に、ワンドリンクやワンフードの注文を義務づけられたりしている場合がほとんどです。杉並区において、このようなライブハウスは、千代田区の対応と同様に興行場法を適用して審査されるのか、それとも、興行場法の適用除外となり、別の法令の基準を用いた審査をされるのでしょうか。 そこで伺いますが、興行場法の適用除外について、区はどのような基準で判断をしているのか。また、これまで適用除外の判断をした実績と、その後の調査、確認の有無を伺います。 昨年10月、吉祥寺にあった映画館、ココマルシアターが閉館いたしました。その理由は、興行場法に基づき1階は映画館として開設許可を得ていたものの、2階は、東京都の条例が定める避難経路の数が足りずに、興行場法の許可を受けることができませんでした。そこで、カフェとして申告し、食品衛生法上の許可を受けていたにもかかわらず、実際には入場料を得て映画を上映していたとのことです。本件は、保健所が再三是正を求めていたにもかかわらず改善されなかったゆえのてんまつでした。 では、杉並区において、吉祥寺の事例と同様に、食品衛生法上の営業許可を受けていながらも、実態は興行場としての営業をしている場所はないのでしょうか。区内の小さな劇場やライブハウスでいえば、消防法で求められる避難経路の確保ができていない場所が、私の知っているだけでも複数存在しています。こうした現状で、万が一火災や事故が起きて死傷者が出るようなことがあった場合に、杉並区は適切な対応をしていたと胸を張って言えるのか、区民は納得できるのでしょうか。 そこで、今必要なのは、保健所が営業許可をした事業が現在の事業と事実上異なっているような場所において、改めて、実態に即した安全対策を図っていくことです。保健所が事業者、消防署と一緒になって相談をしながら、一軒一軒実態調査や安全確認を進めていくことになるのだろうと思います。 決して、そのような場所が、けしからぬ、即刻閉鎖しろというようなことは、私はいたしません。冒頭に申し上げたように、私は、区内の劇場やライブハウスを杉並の魅力として残していきたいからこそ、こうして申し上げているのです。杉並区には、ぜひとも、区内で活動する劇団や芸人、ミュージシャンの皆さんが安全な場所で活躍でき、また、お客さんが安心して楽しめる環境をつくっていっていただきたいと思います。 そこで、飲食業として許可を受けていながらも、実態は興行場として営業している劇場や、そもそも営業許可を受けていない劇場もあるかもしれませんが、そうした劇場において、消防法上の基準を満たしていないところが見受けられます。こうした興行場の安全対策について、区として今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 次に、商店街振興施策、本日は、とりわけ個人商店に対するキャッシュレス決済の普及施策について伺ってまいります。 これまで、日本のキャッシュレス化は、外国諸国に比べて大変遅れていました。その大きな理由は、小規模店舗による現金主義にあったと言われています。現金は追跡することが困難であるために、売上げを過少申告する事案も多かったと聞いています。この方たちは、キャッシュレス化によって売上げがデジタル化してしまえば、数字が透明になり、ごまかしが利かなくなってしまいますので、キャッシュレス化の推進に後ろ向きであったという背景があるようです。 国がキャッシュレス化を進める意義の1つは、このような脱税行為、徴税コストの削減です。そこで、国は、将来的にキャッシュレス決済比率を80%とすることを目指し、まずは令和7年までに40%とすることを目標に施策を進めています。最近では、総務省のポイント還元事業も追い風に着実に数字は伸びており、令和7年までの40%という目標はほぼ確実に達成される見込みです。 そのことは、同時に、40%のキャッシュレス決済利用者が商品を購入することができないキャッシュレス未対応のお店は、お客さんをキャッシュレス決済に対応する同業他社に奪われてしまう、機会損失のリスクに直面しているということです。いつまでも現金主義でいることがそもそもできなくなってきているのです。 そこで、まず、区は、この国の動向を受けて、区内個人商店などへのキャッシュレス決済普及の必要性、重要性についてどのような認識を持っているのか伺います。 また、区内商店のキャッシュレス決済の普及率やその推移について区は把握しているのか、もしこれまで調査をしていないのであれば、今後調査の予定はあるのか伺います。 商店がキャッシュレス決済を導入することのメリットとして、大きく2つのことが考えられます。 まず、1つ目のメリットは、現金のコストが削減されることです。 レジ締めにかかる時間は大幅に短縮されますし、会計時にお釣りの計算や受渡しも要らず、顧客を待たせることもありませんから、顧客満足度も向上するかもしれません。また、現金商売の個人商店は、どの程度の釣銭が日々必要になるのか判断することが難しく、常に多くの硬貨、紙幣を用意しておく必要があります。その都度銀行へ両替に行くコストも大幅に削減できますし、最近では銀行の両替に手数料がかかりますので、その手数料コストも減らすことができます。 2つ目のメリットは、データの活用です。 キャッシュレス決済によって、いつ、誰が、どこで、何を、幾らで購入したのかがデジタルデータとして残ります。そこで、顧客の来店数や購入額、売上げ商品のデータが見えるようになれば、それまで長年の勘や経験に頼っていた店舗経営は、より効率的になります。さらに、売上げデータを会計ソフトと連携させれば、現金取引では直接手入力で行っていた経理処理を自動化することができます。入力ミスがなくなりますし、入力する時間というコストも大幅に短縮できます。 つまり、商店へのキャッシュレス決済を推進することは、コストを削減し、経営を効率化するための商店に対する直接的な支援にほかなりません。国や広域自治体である東京都は、キャッシュレス決済の推進という旗こそは振りますが、地域に根差す個人商店へのフォローが全く不十分です。だからこそ、最も商店に近い杉並区には、区内商店に対してキャッシュレス決済導入という決断の背中を押していただきたいと思います。 そのためには、例えば、区が専門家を招いて説明会を主催してもいいですし、区商連や東商杉並支部など区内商工団体の行う説明会を助成してもいいかもしれません。商店主の皆さんにキャッシュレス決済のメリットを正確にお伝えする機会を1つでも多くつくることが最良の支援だと考えます。 そこで、区は、これまで区内でキャッシュレス決済の普及に関してどのような働きかけをしてきたのか、また、今後個人商店へのキャッシュレス決済の普及に向けてどのように取り組んでいこうと考えていくのか、伺います。 キャッシュレス化は、支払い行動のデジタル化であり、今後のデジタルエコノミーを支える重要なインフラです。インフラ整備の過程で、さきに述べた商店のデータ活用というメリットがあります。データ活用は、自分でデータを囲い込むだけではなく、多くの関係者と共有することで、より多くの相乗効果が得られます。仮に、商店街が一体となってキャッシュレス化をし、複数店舗で共通のポイントカードを発行したとします。そこに店舗のデータをひもづければ、顧客がどのようなお店をどのような順番でたどったのか、滞在時間はどうだったのか、詳細な分析が可能になります。これによって、商店街として効果的なイベントを企画することもできるでしょう。 また、商店街として、例えば、行政からの補助金をキャッシュレス決済で管理すれば、そのデータを会計ソフトとひもづけることで、会計帳簿作成の手間が大幅に削減できます。また、データは逐一記録されるので、改ざんの危険もなく、帳簿の信頼性が担保されることによって、チェックをする区担当職員の負担も減るでしょう。 キャッシュレス化には、データの使い方次第で様々な可能性が広がっています。そのためにも、まずはより多くの商店へのキャッシュレス化推進からですが、近い将来、商店街単位でのキャッシュレス化を推進するなど、時代に即した商店街振興施策を区には進めていただくことを要望し、私の一般質問を終わります。