発言 1
この発言の公式記録◆15番(わたなべ友貴議員) 杉並区議会自由民主党のわたなべ友貴です。会派の一員として、通告に従い、区政一般について質問をいたします。 質問項目は、コロナ禍における杉並区の防災対策と今後の取組についてです。 質問に入る前に、会派を代表して、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた皆様に心よりお悔やみを申し上げます。今も治療中の皆様におかれましては、一日も早い回復をお祈りいたします。 また、さきの風水害により被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 それでは、質問に入ります。 防災対策について伺う前に、新型コロナウイルス感染症に対する区の考え方について、1つだけ確認をいたします。 新型コロナウイルス感染症は、5月の緊急事態宣言を終える頃まで、流行の第1波と言われてきました。区はこの間、度々補正予算を組み、流行の第2波、第3波に備えるためという理由で様々な施策を展開しています。 では、そもそも区の言う流行の第2波とは、どのようなことを言うのでしょうか。感染者の数だけを見れば、既に第1波を圧倒的に上回っています。ですから、私は、現在流行の第2波であると言ってもいいのではないかと思います。しかし、第1波のときと異なり、重症者数、死亡者数ともに減少傾向であり、病床数も確保ができています。 したがって、ここで大切なことは、同じ流行とはいいながら、その中身は全く別物であるということです。中身が違うのですから、区が進めるべき施策も、第1波と第2波では同じであるわけがありません。冬には流行の第3波がやってくるとも言われています。今はまだそれがどのようなものになるか分かりませんが、当然、区は第1波、第2波とは違う施策を進めていくことになるんだろうと思います。ですから、区のこれからのコロナ関連施策を考える上で、第2波とは何か、そして第2波の対策としてどのような施策を展開しているのか、明確にしておく必要があると考えます。 そこで、区の考える流行の第2波とは何を指すのか、既に流行の第2波の最中にあると考えてよいのか、見解を伺います。 それでは、以下、杉並区の防災対策について、本日は、複合災害、障害のある方に対する対応、保育園、この3つのテーマについて伺います。 初めに、コロナ禍の今、台風が上陸したら、大地震が起きたらという、いわゆる複合災害について質問をいたします。 避難所は、密閉、密集、密接、いわゆる3密になることが自明の場所です。しかし、コロナ禍においては、感染症対策として、避難所の3密をつくらないことが求められています。 3密を防ぐために、私は2つ方法があると考えています。1つは、避難してきた方を極力3密状態にしないこと、もう一つは、そもそも避難者数を抑えて3密状態をつくらないことです。 1つ目の避難してきた方を3密状態にしないことは、避難者同士の社会的距離を2メートル程度確保することでクリアできると言われています。しかし、これを厳密に実行すれば、避難所の収容人数は大幅に少なくなってしまいます。そこで、避難者の受入先の確保について、区の対応状況を確認します。 もう一つの3密対策は、そもそも避難所に来る人数を抑えて3密状態をつくらないことです。この点について、国や都は、在宅避難、縁故者避難などの分散避難を推奨しています。 杉並区では、大河川のないこと、浸水想定地域における浸水想定がほぼ2メートル未満であることから、水害時には自宅での垂直避難を呼びかけています。しかし、例えば台風のとき、木造住宅の住人は、強風により自宅にいることが危険な場合があります。このような方が、在宅避難を推奨する区の発信を聞いて避難行動に遅れが出るようなことになれば、甚大な被害になりかねません。ですから、区の呼びかけは、本当に避難が必要な住民をミスリードすることのないように細心の注意が必要です。 そこで、水害時に区が推奨する在宅での垂直避難について、区民への周知はどのように行っているのか。また、区の情報発信が区民の避難行動を遅らせることのないように適時適切な情報発信が重要と考えますが、見解を伺います。 コロナ禍においては、感染症対策を踏まえた避難所運営が求められます。杉並区の水害避難所では、区職員の皆様が開設、運営を行うことになっています。災害時、想定外の事態に臨機応変に対応するためには、事前訓練の積み重ねによるノウハウの蓄積が必要になります。これから本格化する台風シーズンを前に、この点の準備状況はどのようになっているのか。水害避難所を開設、運営する役割である区職員の方の訓練状況を確認します。 ここからは、区民が運営主体である震災救援所に話を絞り伺ってまいります。 まずは、避難者数の減少に対する対応についてです。 杉並区は7月に震災救援所感染症対策標準マニュアル(暫定版)を作成しました。マニュアルによれば、運営者には、避難者同士の社会的距離を極力2メートル間隔確保することが求められています。区ではこれまで、3.3平方メートルに2人の避難者を収容する想定でありました。一方、新しいマニュアルによれば、これを厳密に実行すると、4平方メートル当たりに1人しか収容することができません。計算上は、これまでの約4割の人数しか避難者を収容することができなくなってしまいます。 そこで、震災救援所感染症対策標準マニュアルのとおり避難者同士の距離を2メートル確保した場合、震災救援所の収容可能人数はどのようになるのか、確認をいたします。 感染症対策によって減少した収容可能人数を補うためには、2つ方法が考えられます。1つは、新しい避難所を増やすこと、もう一つは、既存の仕組みを最大限に活用することです。 1つ目の新しい避難所を増やすことについては、国の通達や都の保健福祉局が作成する避難所運営ガイドラインで、自治体に積極的な取組が求められています。しかし、杉並区では既に大半の区施設が避難所に指定されていますから、新規開拓先は民間施設にならざるを得ません。避難所に指定される民間施設には、地域貢献によるアピールや、区防災マップへの記載による知名度の上昇など様々メリットがあります。区内には社会貢献活動に熱心な企業も数多くあります。区には、こうした企業から協力を得ることができるように、避難所指定のメリットを説明しながら交渉を進めていただきたいと思います。 そこで、民間施設を含めた、一つでも多くの避難所の確保に向けた区の検討状況について伺います。 もう一つの既存の仕組みを最大限活用することについて、さきの杉並区議会第2回定例会において、区は、我が党井原議員の避難者の収容についての一般質問に対し、補助代替施設の活用を検討するとの御答弁でした。 私は、昨年、第3回定例会において、都立高校の補助代替施設としての利用について質問をいたしました。その際、訓練などの開催に向けて、補助代替施設との意見交換会を定期的に開催し、顔の見える関係づくりを進めると御答弁をいただきました。ですから、今回の補助代替施設の活用について、少なくとも都立高校とは関係構築が進んだ状態から準備を始めているはずです。避難者の収容人数も相当数確保できていることと期待します。 そこで、さきの第2回定例会で、補助代替施設の利用を視野に入れるという答弁がありましたが、その後の準備状況について伺います。あわせて、都立高校や私立学校、大学との協議状況についても確認をいたします。 次に、新しく配備した感染対策備品についても伺います。 震災救援所には、新しく感染症対策備品が配備されました。しかし、その中にアクリル板やビニールガードの飛沫感染防止対策備品はありません。一方、区は、庁舎内はもちろん、区民センターやゆうゆう館など区施設の受付に必ずアクリル板やビニールガードの飛沫感染対策備品の設置を進めています。区施設と震災救援所で感染防止対策に差をつける合理的な理由が私には分かりません。今、運営連絡会の皆様が区に求めることは、新型コロナウイルス感染症におびえることなく避難所運営ができる環境を整えていただくことではないでしょうか。 そこで、区有施設と同様に、受付の設置が必須である震災救援所においても、飛沫対策のアクリル板やビニールガードを備品として整備する必要があると考えますが、見解を伺います。 次に、震災救援所訓練について伺います。 区の新しいマニュアルには、体調不良者専用受付の設置、避難所内のゾーニング、感染対策担当の設置など、新たな項目が多数追加されています。感染症対策備品も新しく整備されました。 では、このような新しいマニュアルに沿った訓練や備品を使用した演習は行えているのでしょうか。 目黒区では、庁舎の大会議室をコロナ禍の避難所に見立てて、職員向けに資器材の使い方などの訓練を実施しました。その様子を動画に収め、区民に公開することで、災害訓練の不足を補うための情報共有を区民と図っています。 今年は、感染防止対策の観点から、例年どおりの規模で訓練を行うことは難しい現状です。しかし、新しいマニュアルや備品について何も準備ができていなければ、震災救援所の感染症対策は全く機能しないことにもなりかねません。 そこで、今年に関しては、区が主導して、感染症対策を踏まえた震災救援所訓練の準備を進めていただきたいと思います。その方法は、目黒区のように動画を使うことも一案ですし、訓練を少ない人数で短時間、複数回の分散開催にすることを連絡会に促してもいいかもしれません。できることから迅速に着手していただくようにお願いをいたします。 そこで伺いますが、コロナ禍に合わせて震災救援所に導入した新しい資材の使用演習は行っているのか、取組状況を伺います。あわせて、感染症対策標準マニュアルに沿った震災救援所の訓練の開催見通しについても伺います。 複合災害のテーマの最後に、避難者の健康管理についても伺います。 新型コロナウイルスは、免疫力の低下によって重症化しやすいという傾向があります。震災救援所内の避難所生活には、ストレスや厳しい環境下での体調悪化など、常に免疫低下のリスクが伴っています。また、避難者は、歯磨きの回数が減少したり入れ歯の掃除が行き届かなかったりすることで口腔衛生環境が悪化し、これも免疫力の低下につながると言われています。これらのリスクを低減するためには、保健師の先生による健康管理のための巡回診察や、歯科医師の先生による歯科保健医療の提供体制の確保が重要になります。 杉並区地域防災計画では、保健師、管理栄養士、医療ボランティアで保健活動班を編成し、救援所に派遣することを予定しています。しかし、感染症対策で保健所が逼迫しているこの状況で、果たしてこれまでどおりに震災救援所への巡回体制を組むことができるのでしょうか。 そこで、現在の保健所の体制で震災救援所の巡回体制を構築することは可能か、現在の保健師活動マニュアルの再整備や医療関係者との協定締結、見直しを行い、確実な巡回体制を構築する必要があると考えますが、見解を伺います。 また、歯科医師の先生による避難所生活への保健医療体制の構築も考えていくべきであると考えますが、現在の取組状況はどのようになっているのか、今後の考え方についても併せて伺います。 今、社会には、ウィズコロナ、アフターコロナを考える中で、これまでのように、新しいことに対してできない理由を探すのではなく、できるための手段を探そうという前向きな空気感を感じます。1つ例を挙げれば、テレワークの急速な普及です。 災害対策では、これまで、ぎゅうぎゅうになることが大前提であった避難所の在り方を大きく変える契機になるかもしれません。分散避難をより一層進めるために、例えば母子救護所の導入を進めることができるかもしれません。情報伝達の手段も、チャットボットを導入するなど、新しい手法の導入も考えられるかもしれません。 杉並区の防災対策においては、目の前の課題を一歩ずつ乗り越えていくことはもちろんではありますが、コロナ終息後に劇的に進化した、そう胸を張ることのできる施策を今後も展開していただくように強く要望をいたします。 次に、複合災害からテーマを変えて、災害時の障害のある方に対する取組について伺います。 まずは、学校施設のバリアフリー化です。 本年6月、バリアフリー法が改正されました。この法改正の目玉は、公立小中学校の新築、大規模改築時にバリアフリー対応が義務づけられたことです。その背景には、公立小中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒や通級指導を受けている児童生徒が10年間で約2倍に増えていること、そして発災時に学校が避難所になることがあります。 杉並区においても、避難が必要になった障害のある方は、まず、震災救援所である区内小中学校へ避難します。では、その小中学校で、障害のある方に対応することは果たしてできるのでしょうか。体育館や校舎入り口へのスロープの設置や、だれでもトイレの整備など終わっていない学校では、車椅子で避難されてきた方は避難生活を送ることができませんから、受入れをお断りするようなこともあるかもしれません。 そこで、震災救援所となる区内小中学校のバリアフリー化について、進捗状況を確認します。 また、法改正の趣旨によれば、本来、新築、大規模改築時にかかわらず、可能なところから全公立小中学校のバリアフリー化に取り組むべきであると考えますが、区の見解を伺います。 次に、区の心のバリアフリーに対する考え方についても確認します。 中長期的な区政運営を考える中で、ドラスチックにハード整備を進めることは困難であるという言い分は分かります。そうであるならば、ハード整備の努力を続けていただくことはもちろんですが、あわせて、区のバリアフリー基本構想にも記載のある心のバリアフリーの推進が一層重要になります。 心のバリアフリーという言葉は、えてしてハード面の整備不足を補うために使われがちな言葉で、しばしば、優しさや思いやりを持って障害のある方に接することと理解されます。しかし、私はそれだけではないと思います。心のバリアフリーとは、感情だけに依存せず、自然と出る意識や態度がもたらすものであると思います。そして、このような豊かな心を持つためには広い知識や経験が必要で、それがあって初めて言動に表れるものだと信じています。ですから、区は、心のバリアフリーをこれからますます推進していただけるのであれば、日頃から自分とニーズの異なる方たちと身近に接する機会を増やすことが必要であると考えます。 そこで、今後の区の心のバリアフリー推進に対する取組について見解を伺います。 障害のある方への対応についての最後に、福祉救援所における災害への準備状況についても確認をいたします。 杉並区は、災害時、在宅避難のできなかった障害のある方を震災救援所から第二次救援所、福祉救援所へ搬送することとしています。第二次救援所は、区の地域区民センターが指定されています。その運営は区職員の方が行うことになっていますから、感染症対策を講じながらの救援所運営について、当然準備もされていることかと思います。 一方、福祉救援所は、特養などの民間入所施設、障害者通所施設として稼働する民間事業者が中心の区内29施設で開設することになっています。民間入所施設は、新型コロナウイルス感染拡大後も閉鎖をすることなく運営を続けてきました。利用者の命を預かりながら、極限の状況下で施設を稼働させてきた民間事業者が、果たして感染症対策を踏まえた福祉救援所の運営準備を進めることができているのでしょうか。 区は、災害時、必要な方を福祉救援所へ搬送する決断を下す立場にあります。その際に、区は、感染症対策が十分ではない福祉救援所へ障害のある方を搬送することのないように、最低限、施設ごとの感染症対策を踏まえた運営マニュアルの作成状況、訓練の実施状況などを把握しておくべきであると私は考えます。 そこで、民間事業者が中心となる福祉救援所の複合災害における避難所としての機能確保に向けた準備状況はどうか、区の把握している現状を伺います。 次に、本日の質問の最後のテーマである保育園における災害時の対応について伺います。 4月の国の緊急事態宣言を受けて、区内の保育園は原則臨時休園となりました。区はその後、保育園の臨時休園の判断基準を新型コロナウイルス感染症拡大状況に応じて順次更新しながら、保護者に周知を図ってまいりました。 では、震災や風水害の場合は、休園基準は明確に定められているのでしょうか。保育園は、幼稚園や学校とは異なり、家庭の必要性に応じて保育を提供する児童福祉施設ですから、容易に休園を決めることはできません。災害時でも仕事を抱える保護者にとっては、保育園は子供の預け先として頼みの綱です。ですから、保護者からは、災害時にも開園を期待する声が上がることも考えられます。そのとき、保育園が独自に休園の判断を下すのではなく、区が休園の判断に直接関わることで、より保護者からの理解が得られやすくなると考えます。 そこで、コロナ禍において、区は、保育園の臨時休園基準を順次更新しながら作成してきましたが、災害時における休園の判断基準はどうなっているのか、確認をいたします。 また、近年、集中豪雨や台風などの風水害が毎年発生している中で、行政が災害時における休園の判断基準を明確に設ける必要があると考えますが、見解を伺います。 最後に、この間のコロナ禍において最前線で闘ってくださっている医療関係者の皆様、連日対策に当たってくださっている区職員の皆様、そして感染拡大対策に協力してくださっている全ての区民の皆様に心より感謝を申し上げて、私の質問を終わります。