発言 1
この発言の公式記録◆31番(わたなべ友貴議員) 杉並区議会自由民主党のわたなべ友貴です。会派の一員として、通告に基づき一般質問をさせていただきます。 本日は、施設マネジメントについて、改正民法への対応について、男女共同参画推進事業について質問をさせていただきます。 まずは、施設マネジメントについて伺います。 ゆうゆう上荻館、上荻会議室跡地は、前施設再編整備計画によりコミュニティふらっとへの現地建て替えが決まっていました。施設利用者である高齢者や町会等地域団体は、将来世代へツケを回さないという計画の趣旨を理解し、建て替えの間に生じる自らの不便を快く受け入れてくださいました。そのため、他地域のような反対運動は起こりませんでした。しかし、この計画は、岸本区長の公約の一つ、区立施設の統廃合等で「住民の合意が得られていないものはいったん停止し、抜本的に見直します」に基づき白紙となります。計画の目的に納得して建て替えに合意していた住民たちは、約束が違うと大変困惑しています。高齢者団体からは、建て替え中の代替施設では前施設でできていた活動が一部制限されているといった話をよく聞きます。利用者はこうした不便も当初計画の建て替えが終わるまでならと我慢できていましたが、区の突然の約束破りを受け、一日も早い不便解消を求めています。 そこで、まず施設利用者が従前の活動を制限されていると感じていることへの区の認識と今後の対応について確認をいたします。 今年2月、旧施設を利用していた上荻4町会町会長、いきいきクラブ代表が連名で、一日も早い施設整備を求める要望書を区へ提出しました。住民から区へ要望書が出されたのは、合意済みだった当初計画を一方的に中止した区への不信感が原因です。住民は既に新しい区の施設マネジメント計画を信用できなくなっています。区には、住民との信頼回復のためにも、当該跡地活用に関し、今後のスケジュール感と同機能を継承した新施設の明確な利用開始時期をこの場で明言いただきますよう答弁を求めます。 次に、旧若杉小学校の跡地活用について伺います。 先日、区はこの地域の住民に対し、旧若杉小学校既存校舎の解体を前提に跡地利用を考えていると説明をされたとのことです。平成20年の若杉小学校廃校以来16年間、跡地の活用を求めてきた住民からは、ようやくこの場所が地域の主役になることができると期待の声であふれています。 そこで、まず区が旧若杉小学校既存校舎を解体する方向と判断するに至った経緯について伺います。 区は、令和5年6月から約1年間、旧若杉小学校周辺の天沼8町会、そしてここを震災救援所として活用する上荻中央町会を加えた9町会の住民と計5回の意見交換会を実施しました。区は、ここからさらに跡地の活用についてワークショップを開催する予定です。 そこで、計5回の地域住民との意見交換会の目的を確認します。あわせて、今後のワークショップ参加者について、想定する人選や募集方法等について確認をいたします。 1年間意見交換会に参加してきた町会の皆様は、計5回の意見交換会の最後に、災害に備える空地が足りないという地域課題の解消のため、防災性を備えた多世代が利用することのできる公園が望ましいと、跡地の活用方法について一定の方向性を示しました。本来、これからのワークショップでは、区が跡地の活用方法に何も思惑がないのであれば、住民の出した方向性を基礎に、施設と関係のある消防団のような団体や、国の宝でもある地域の子供たちと共に公園のデザインを話し合うべきだと私は考えます。杉並区は町会・自治会を区政運営に欠くことのできない重要なパートナーと位置づけています。そんな重要なパートナーが1年間かけて導いた方向性をこれからのワークショップでどのように取り扱うのか、伺います。まさか区がひっくり返すようなことはないと信じていますが、念のため確認をいたします。 ぜひとも区には16年間ひたすら跡地活用を待ち続けてきた住民の声を重く受け止めていただきたいと思います。地域住民の一切望まないような施設ができるようなことだけは絶対にないよう強く要望させていただき、次の質問に移ります。 ここからは改正民法への対応について伺います。 令和6年5月17日、離婚後共同親権が導入された改正民法が自民党、公明党、立憲民主党などの賛成多数で成立をしました。これまでの日本は、離婚後、父母のどちらか一方が子供の親権を持つ単独親権でしたが、これに加えて父母双方に親権を認めることができる共同親権が導入されました。離婚の際、父母の協議によって共同親権か単独親権かを決め、合意ができなかった場合には家庭裁判所が判断、改正民法819条7項によって、DVや子供への虐待のおそれがあると認められる場合には単独親権が義務づけられています。先進国では以前より共同親権が一般的であり、日頃から岸本区長がよく例に挙げるヨーロッパ、ベルギーやオランダでも共同親権が採用されています。 そこで、まず改正民法によって日本でも離婚後共同親権が選択できるようになったことへの杉並区の評価について伺います。 改正民法818条では、親権が子供の利益のために行使されなくてはいけないと明記されました。子供の利益とは、学ぶ機会、様々な経験、体験の機会の確保をすることだと思います。子供が小さいうちに両親が離婚をした場合、子供の成長過程において自発的に別居親と会うことを望まなくなることもあるでしょう。それでも、子供が望めばいつでも別居親に会える、子供が望めばいつでも別居親と連絡を取ることができる、その機会を親の都合だけで子供から奪うべきではないというのが私の考えです。 離婚の際、夫婦間には様々な葛藤があると思います。親権は欲しい、しかし離婚してまで相手の顔を見たくない、二度とこの人と関わりたくない、そう思われる方がいらっしゃることも当然理解をいたします。もっとも、改正民法819条7項では、夫婦間協議が調わず裁判所が親権者を定める場合、子供の利益のため、父母と子の関係、父と母の関係、その他一切の事情を考慮しなければならないと定めています。つまり、たとえ両親の一方が離婚後に相手と関わりたくないと葛藤があったとしても、そのことだけをもって単独親権になるわけではありません。したがって、改正民法下では、いかに争いなく子供の利益を中心に離婚協議を進めることができるかが重要になります。そのサポートをすることは今後基礎自治体が果たすべき大切な役割です。 文京区や目黒区では、パパとママの離婚講座「子どものために考えておくこと」と題し、夫婦が離婚を考える際に子供のために知っておいたほうがよいこと、決めておくべきことを学ぶことができる講座を開催しています。改正民法の成立によって、今後は、親としての当事者意識、そして社会規範に変化が求められていきます。それは夫婦の離婚と子の問題は別に論じられるものという規範へのパラダイムシフトです。文京区や目黒区のような講座はその一助になると私は考えます。 そこで、区が離婚を予定している夫婦への支援や講座を主催していくことは、子供の利益を中心に置いた共同親権の正しい理解の普及に必要と考えますが、区の見解を伺います。 今回の改正民法によって、共同親権が義務づけられるわけでは決してありません。そのことを前提に、まずは共同親権への理解の増進に区として取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。 ここからは男女共同参画推進事業について伺います。 最初に、DV対策についてです。 共同親権を定めた改正民法の819条7項1号、2号では、裁判所は、一方にDVのおそれがあると認められる場合、単独親権としなくてはいけないと規定されています。このDVのおそれがあるかの判断には、公的機関が発行するDV相談証明書が有力な証拠となります。杉並区では、配偶者暴力相談支援センターを設置し、そこでDV相談をした方が希望すればDV相談証明書を発行してもらえます。 そこで、まず令和5年度に区が発行したDV相談証明書の件数について伺います。また、証明書は希望した方全員へ発行しているのか、実務上の取扱いについても確認をいたします。 DVのおそれが親権指定の判断要素と明文化されたことで、改正民法の法案審議の際、子供の不当な連れ去りがDVになり得るかが議論となりました。これまで家庭裁判所による親権決定は監護の継続性が重視されてきました。離婚後親権を得たいと考えた親が、もう一方の親に無断で行く先も告げぬまま子供を連れて家を出る、その後、事実上の監護状態を一定程度継続した後に離婚協議に入るというケースがありました。裁判所もそれを追認するという運用がされていました。親権が欲しければ連れ去った者勝ち、これがいわゆる不当な子供の連れ去り、実子誘拐です。今後、不当な子供の連れ去りが別居親に対するDVとなり得るならば、連れ去った親がDV加害者となり、改正民法819条7項によって親権を喪失することになります。連れ去った者勝ちが通用しなくなってしまいます。 この点、4月5日、衆議院法務委員会における自民党・三谷英弘議員の、子供を特段の理由なく連れ去り別居親に会わせないことは精神的DVに当たるという認識でよいかという趣旨の質問に対し、法務省民事局長が、無断で子供を転居させ、特段の理由なく別居親と一切交流させない場合は、個別の事情によるものの、これにより心身に有害な影響を及ぼしたと認められるときにはDVに該当する可能性もあり得ると答弁しています。同日、立憲民主党の米山隆一議員の質疑の際にも同様のやり取りがありました。明確に不当な子供の連れ去りがDVになり得ると示されました。 そこで、区は、この国会答弁のとおり、子供の不当な連れ去りはDVとして扱う場合があるという認識でよいか、あわせて、その場合、連れ去り被害者である別居親に対してDV相談証明書の発行等の対応をする考えはあるのかを確認いたします。 今回の一般質問要旨ヒアリングの際、4月から公募採用された男女共同参画担当課長は、私自身は子供の不当な連れ去りのような案件を認識していませんという趣旨の御発言をされていました。御存じないようでしたので、一つの事案を紹介いたします。世田谷区において非公開で行われていた女性限定離婚講座の音声が流出しました。その際、講師を務めていた女性弁護士の発言を御紹介します。 裁判所としては現状維持。離婚するとなったとき誰と一緒にいて、その生活が安定しているかどうかというのを大事にします。お子さんの環境がころころ変わるのはよくないねという話です。なので、先ほど調停するとき別居してからをお勧めしますというお話をしましたが、離婚後に親権者になりたい場合は、必ず別居するときにお子さんと一緒に家を出てください。その後、まあ離婚の話合いでいろいろもめたりして時間がたつとしても、お子さんと一緒にいることによって、そこで監護養育しているという実績が積み重なっていきますので、最終的に親権を取りやすくなります。 以上が引用です。弁護士が、親権獲得のため、不当な子供の連れ去りを明確に指南しています。これが現実です。 また、メディアにも取り上げられた、実子誘拐被害者をサポートするNPOの作成した実子誘拐被害調査報告書にもぜひ一度目を通していただきたいと思います。その上で、不当な子供の連れ去りという精神的DV被害者に寄り添うことのできる温かい杉並区を目指していただきますように要望しておきます。 DVの最後に、区の男女共同参画行動計画の取組方針について伺います。 計画の取組方針4には「女性に対するあらゆる暴力を根絶する」とあり、基本的考え方に「配偶者からの暴力による被害者の多くを女性が占めている」とあります。 議長、資料を。――こちらです。 しかし、内閣府の令和2年度男女間における暴力に関する調査では、女性の4人に1人、男性も約5人に1人が配偶者からの暴力を経験していることが分かります。したがって、杉並区のDV被害の多くを女性が占めているという認識は、ジェンダーバイアスによる誤りであると私は思います。ここに明確に書いてありますね。 もっとも、令和4年度配偶者暴力相談支援センターのDV相談被害件数は、男性が約3,000人、女性が約11万8,000人と大変大きな開きがあります。しかし、その多くが女性センターや婦人相談所といった女性に限定された相談窓口によるものであり、男性はDV相談自体がそもそもしづらいというのが現状です。 また資料をお願いします。 これは警察庁が発表した令和5年度のDVを起因とする自殺者数であります。男性が81人に対して女性が12人と、約6.75倍男性のほうが多いのがこの数字から分かります。この数字から、行政は、男性が追い詰められる前に相談をしやすい、相談することのできる体制を構築することが必要であると私は考えています。区は、男女共同参画行動計画において、男女問わずに利用することができる相談体制の充実を定めています。これは大変にすばらしいことであり誇らしいことです。しかし、この相談体制の上位規範である取組指針の中では「女性に対するあらゆる暴力を根絶」と女性に特化した書きぶりに終始しています。これでは、せっかく性別を問わない窓口をつくっても、男性が相談しやすい体制にはなりにくいのではないでしょうか。 そこで、男女共同参画行動計画で取組自体は男女を対象にしつつも、幾つかの取組指針の名称で「女性の」と限定している理由について伺います。 最後に、区のLGBT施策について伺います。 昨年6月、罰則つきのLGBT差別禁止法、差別解消法の必要性を主張する活動家やメディア、立憲民主党、共産党などを尻目に、罰則規定のない、全ての国民が安心して生活ができるようになどの文言を盛り込んだ理念法としての性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律、以下LGBT理解増進法と呼びます、が自民党、公明党、国民民主党、維新の会らの賛成によって成立しました。 そこで、まず、区は昨年成立したLGBT理解増進法の趣旨をどのように解釈しているのか、伺います。あくまでも、全く別物である差別禁止法、差別解消法について聞いていないことに御留意の上、御答弁をお願いいたします。 LGBT理解増進法が成立した以上、各自治体がたとえ杉並区のように性の多様性条例なるものを先につくっていたとしても、憲法94条や地方自治法14条に基づき、法律に反する施策を展開することはおかしい。国は、法施行後、自治体のLGBT関連施策立案における説明書とも言うべき基本計画や指針を作成するとしています。しかし、いまだにそれらは示されていません。これでは自治体としてどんな講座や職員研修が法の趣旨に沿うものか判断に困ります。 そこで、区は、国の基本計画や指針が示されない中、LGBT理解促進講座や職員研修の講師や教材、講座内容をどのように選定しているのかを確認します。 昨年度、法施行後に行われた区主催の男女平等推進センターLGBTQ+理解促進講座では、全3回中2回の講師が、LGBT理解増進法を痛烈に批判し、いまだに差別禁止法の必要性を訴えている活動家の方でした。 パネル、またお願いします。 さらに、今年1月に行われた区主催の性的マイノリティ理解促進講座の講師である、LGBT理解増進法反対、差別禁止法制定推進団体であるLGBT法連合会の事務局長、この方が講師を務められました。今もあらゆるメディアで理解増進法を批判し、差別禁止法の制定を求めています。 なお、この団体は、国の基本計画や指針ができていないにもかかわらず、地方公共団体向けにLGBT理解増進法を活用するための手引書なる同人誌を作成し、1冊1,500円で営業をかけています。法に反対しておきながら、でたらめな同人誌を作り、自治体相手に金を稼ごうとするさまは厚顔無恥としか言いようがありません。同人誌の販売は、自治体向けではなく、どうぞコミックマーケットでおやりいただければと思います。 今杉並区では、女性が女性スペースを確保しないと不安と当然の主張をすれば、LGBT活動家から差別だとつるし上げに遭います。それに同調する方は、だから差別禁止条例が必要だと自分の物差しで差別と決めつけ分断をあおる。これはまさに、法案審議の際、活動家や立憲民主党、共産党が主張していた差別禁止法、差別解消法が目指していた社会、すなわち、何が差別に当たるかを活動家のような急進的な人間が判断する実に恐ろしい社会そのものです。このような主張の方を区の理解増進講座の講師に選定しては、いつまでたっても共生社会の実現などあり得ません。それどころか、講座自体がLGBT理解増進法の理念に反してしまいます。法の理念は、国民に性的マイノリティー当事者への理解増進を涵養させることです。ゆっくりしっかりと国民一人一人に性的マイノリティーへの理解をしみわたらせて、真の共生社会実現をめざした理念法がLGBT理解増進法です。 そこで、これからは、区の行うLGBT理解促進講座や職員研修の講師について、LGBT理解増進法の理念を正確に理解し伝えられる方を選ぶべきであると考えますが、見解を伺います。 近年、パートナーシップ制度や同姓婚の話をこの法律や性の多様性条例に絡めて熱心に語る方をよくお見かけします。しかし、本来議論の分かれているこうした話を拙速に進めることは、法理念の無理解を自白していることと同義です。こうした人たちは共生社会の実現を自ら遠ざけていることにすら気づかない。さらに言えば、LGBT活動家ではない市井の大多数の性的マイノリティー当事者が迷惑していることにも気づかない。無能な働き者のいい例です。区もいいかげん、差別されているとか生きづらいとか、そういう当事者だけではなく、毎日を楽しく前向きに生きる性的マイノリティー当事者の声にも耳を傾けてください。区民にそうした当事者の話を直接聞いてもらうことが真に理解増進を涵養させていくことだと私は考えます。今年度は、前向きで楽しい、本当に性的マイノリティー当事者への理解が進む理解増進講座が企画されることを期待し、私の一般質問を終わります。 ありがとうございました。