議会活動の記録へ戻る

決算特別委員会

決算への意見開陳・区長公約・行財政運営

令和6年決算特別委員会-10月15日-10号

決算への意見開陳区長公約行財政運営
公式会議録を読む

発言本文

わたなべ友貴本人の発言を、当日の発言順に掲載しています(西暦の年表記は和暦に統一)。答弁や他議員の発言は省いています。質疑の前後関係は公式会議録でご確認ください。

◆杉並区議会自由民主党代表(わたなべ友貴委員) 杉並区議会自由民主党を代表し、令和5年度杉並区各歳入歳出決算について意見を申し述べます。  令和5年度は、5月に新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが2類感染症から5類感染症に変更されました。6月には、日経平均株価が約33年ぶりに3万3,000円を超え、経済の順調な回復傾向も見られました。一方、止まらない原油価格・物価高騰は、区民生活に多大な影響を今もなお与え続けています。杉並区にとっては、政治家、岸本聡子氏の選挙公約の実現のため、1年前倒しで改定された杉並区総合計画・実行計画等の初年度に当たる年であり、公約内容や改定された各行政計画、個別施策への評価はさておき、計画の着実な推進が求められる1年でもありました。同時に、令和5年度当初予算は、杉並区長、岸本聡子さんにとって初めての本格予算、区長のイデオロギーに準じた多くの施策に予算計上されたことが特徴的でした。果たしてそれらの施策が本当に区民福祉の向上に資するものなのか、試金石となった1年と言えます。  そこで、私たち会派は、1、コロナ禍を脱し、本格的に上向き始めた日本経済と裏腹に、原油、原材料価格高騰を要因とする物価高騰等の不安定な社会情勢に鑑み、持続可能で効率的な行財政運営に努めたかどうか、2、行政計画の着実な進行管理など、適切な行政運営がなされていたかどうか、3、区の施策が区民福祉の向上に資するものとなっていたかという3つの視点を中心に決算審査に当たりました。以下、それぞれ述べてまいります。  初めに、1つ目の視点、持続可能で効率的な行財政運営に努めたかどうかです。  決算当該年度の区財政は、基幹収入である特別区民税、都区財政交付金の増加を追い風に、形式収支額、実質収支額、単年度収支の全てが黒字となりました。もっともふるさと納税による影響額は相変わらず前年度よりも大幅に増加をしています。これまで区は国に文句を言う、区民にふるさと納税の影響を喧伝する等の取組に尽力してきました。しかし、流出額は右肩上がりで増加、効果はありませんでした。ここに来てようやく杉並区から区の魅力を発信できるような体験型の返礼品を考えるとの答弁がありました。前向きな方針転換が示されたことは評価いたします。しっかりと寄附を集められるよう、魅力ある返礼品の創出へ早急に着手していただくことを要望いたします。  次に、財政指標について見ると、経常収支比率は前年度から0.9%上回り、80.7%となりました。80%を超え、かつ23区平均の推移とも乖離してしまいました。その要因については、会派の質疑を通じて確認しましたが、その際、経常収支比率を算出するための分子に当たる経常的経費充当一般財源等を構成する経費について、給食費無償化を恒常的に行うならば、今後、その経費は臨時的経費ではなく、経常的経費とする必要がある旨指摘をしました。行政が経費の全体像を正確に捉えた財政指標を提示しなければ、区財政の本質的議論は不可能だからです。この際、区には、固定的経費の精査を行い、経常収支比率をはじめとした財政指標の適切な算出に努めていただくことを要望しておきます。  あわせて、区債と基金についても述べます。財政調整基金については、給食費無償化の経費約10億円を筆頭に計約16億円を取り崩したものの、ほぼ同額を積み増し、何とか前年度末残高の約574億円を維持しました。施設整備基金は、決算年度末残高約259億5,000万円と積み増すことができたことについては一定評価をいたします。もっとも特別区債については、前年度比約9億6,000万円増の発行額となり、決算年度末区債残高も前年度より増の約359億円となりました。今後は金利上昇局面に備え、起債に当たって中長期の視点で適債事業を慎重に判断していただくように要望をしておきます。  次に、2つ目の視点、適切な行政運営がなされているかについてです。  決算当該年度は、政治家、岸本聡子氏の選挙公約「さとこビジョン」を達成するため、予定よりも1年前倒し改定された総合計画・実行計画の1年目に当たる年でした。しかし、計画の達成状況は4割弱にとどまるとの答弁がありました。計画改定初年度にもかかわらず、大きく出遅れてしまったことが分かります。また、決算当該年度は計8回、総額約236億円の補正予算が計上されました。その中には、給食費無償化のような緊急性の裏づけがない計画外事業が散見されました。今定例会でも、突如としてジェンダー関係審議会設置条例と抱き合わせで、それに係る経費の補正予算が提案をされています。本来、補正予算は、財政法29条のとおり、特に緊要となった経費の支出を行う場合に限り認められるものです。コロナ禍のような緊急時であればさておき、平時における不要な補正予算編成は、当初予算を小さく見せ、決算時に蓋を開けてみれば、財政規模が膨らんでいたという当初予算の形骸化につながりかねません。今後は、緊急性のない事業を乱発しないようくぎを刺しておきます。  最後に、3つ目の視点、区の各施策が区民福祉の向上に資するものであったかについてです。以下、3つの具体的施策を挙げます。  まずは、いわゆる性の多様性条例についてです。  岸本区長肝煎りで施行されたこの条例は、杉並区にとって区民の命を守る防災よりも大切なことのようです。昨年は関東大震災から100年、長いコロナ禍で落ち込んだ区民の防災意識を向上させる絶好の機会でもありました。それでも、杉並区は、性の多様性条例PRの「広報すぎなみ」を全戸配布こそしても、関東大震災から100年という機を捉えた防災特集の全戸配布はしませんでした。これでは区が防災よりも性の多様性条例を優先したと評価されて当然です。区は、決算当該年度、条例の周知に計約1,700万円を計上しましたが、区民認知度はいまだに僅か25%弱、全く区民に浸透していません。それにもかかわらず、区は来年度、事実婚をパートナーシップ制度の対象にするための条例改正を予定する始末。区民の知らない条例について、なぜ区は条例改正を急ぐのか、理解ができません。区民に浸透していない政策を拙速に進めることは、行政のあるべき姿ではありません。この1件だけを見ても、岸本区政は区長自身のイデオロギーに準じ、やりたいことを独善的に進める区政であると断じざるを得ません。  次に、これまで再三問題視してきた学校給食費無償化です。  決算当該年度における給食費無償化は、区立学校に子供が通う世帯のみが対象であり、それ以外に通う子供への支援は切り捨てられる差別的な施策でした。区は、この施策を子育て支援と位置づけていますが、そうであるならば、区立か否かで線引きをする理由はありません。区立学校以外へ子供を通わせる御家庭は子育て世帯ではないとも思われかねない非常に問題のある施策であったと改めて申し上げておきます。  また、理事者や一部委員からは壊れたラジオのように、保護者からは喜びの声しか聞かないとの発言が繰り返されました。一方、私たち会派のもとには、追加でお金を払うので、一品おかずを追加してほしいとか、そんなことに使うお金があるのなら、子供の学習環境整備に使ってほしいといった切実な声が本当に多く届いています。それもそのはず、昨年度は学校校庭に残されたくぎによって子供が大けがを負う重大事故があったり、学校内で子供の水筒に異物が混入されたりするなど、子供が命を落としかねない事案が多発したからです。くぎの事故に関しては、私たち会派議員が一般質問で、安全管理を外部専門業者へ委託することを提案しましたが、その必要はない、外注化せずとも、校庭のくぎは全て除去できると切り捨てられてしまいました。その結果、今年度、再び校庭からくぎが発見されるという非常にお粗末なてんまつとなったことは御案内のとおりです。岸本区長の選挙公約達成を優先し、本当に区民が必要としている子供の安全対策等がないがしろにされる、これが今の杉並区政の実態であると言わざるを得ません。  最後に、区民参加型予算についてです。  当該事業の投票システムの瑕疵は、これまで会派として何度も指摘をしてきました。しかし、いよいよ最後まで根本的修正がされることはありませんでした。それだけでなく、当該施策の投票者数は2,637名、投票率にして約0.4%という悲惨な結果でした。税金は、岸本区長のイデオロギー遊びのためのお小遣いではありません。岸本区長御自身がやりたいことと、区民ニーズがとてつもなく乖離していることにいいかげん気がつくいい機会になることを期待しています。  また、岸本区長はよく民主主義が根づくには時間がかかるといった趣旨の発言をされていますが、これは自分の独善的主張を押しつけるには時間がかかるの誤りです。これまでも杉並区民は立派に民主主義を実践していますし、区職員もその現場に全力で関わり続けています。今私たちが生きている今は、過去の杉並区民や杉並区職員の汗と涙の上に立脚するものです。岸本区長にとって過去の否定こそが自身の存在意義なのでしょうが、先人たちへの敬意だけは忘れないようにしていただきたい。過去の一切を否定するような発言は首長として厳に慎むべきであると強く申し上げておきます。  このほかにも、岸本区長が杉並区を23区で一番自転車の乗りやすいまちにすると記者会見で満面の笑みで表明したにもかかわらず、決算当該年度はできるだけ自転車を使って移動する区民の割合は、令和4年度から低下、区内における自転車関与事故数も100件以上増加とさんざんたる結果、環境活動家、岸本聡子氏の最大の関心事、環境分野でも決算当該年度は環境に配慮した取組を行っている区民の割合が令和4年度よりも悪化、これが結果です。  さらに、岸本区長が就任直後に大々的に宣言された杉並区役所ハラスメントゼロ宣言では、管理職に強制的にゼロ宣言をさせ、同ポスターを執務室に掲示させているにもかかわらず、庁内ハラスメントは一向に残っていることが明らかになりました。それだけにとどまらず、意気揚々と記者会見をした岸本区長は、御自身の執務室には同ポスターの掲示すらされていないという本末転倒な実態も白日の下にさらされることになってしまいました。要するに、岸本区長初の当初予算において、自身のイデオロギーを色濃く反映した施策はことごとく空振りであったことが、質疑を通じて客観的に明らかになりました。  さて、ここからは、これまで述べた3つの視点を総括します。  まず、区の財政状況は、数字の上では特段問題がないものと判断します。もっとも今後は、正確な財政状況を示すための適切な財政指標の算出や金利のある社会に備えて、起債や基金運用に対する考え方の転換と改善が必要であると考えます。  次に、行政運営については、行政計画の進捗状況が約4割程度にもかかわらず、学校給食無償化のような緊急性の乏しい計画外事業に熱を上げるなど不要な補正予算が複数計上されました。その一方で、区物価高騰対策の一つ、中小企業光熱費高騰緊急対策助成金支援事業では、執行率が僅か29.6%と、多額の不用額を発生させています。これでは行政運営が適切であったとは評価できません。また、区の施策については、区民福祉の向上に資するものでなかったことが客観的に明らかとなりました。  これらを総合的に判断し、杉並区議会自由民主党は、令和5年度一般会計歳入歳出決算について不認定といたします。  各特別会計については、法定外繰入れについて、その動向に留意していく必要があり、その解消に向けた取組が引き続き求められます。もっとも保険料の急激な負担増を抑え、制度を維持するため、やむを得ない暫定的対応と捉え、全て認定いたします。  また、質疑において国保年金課における不納欠損処理の誤処理と決算調製上の修正について、区はその事実を区民には公表しないと答弁をいたしました。岸本区長が就任直後に表明した情報公開度、透明度ナンバーワンの杉並区は絵空事であったということも同時に認定をしておきます。  政治家、岸本聡子氏の選挙公約「さとこビジョン」についても触れます。杉並区は、「さとこビジョン」の達成率について、令和6年度末の達成見込みを69.3%と発表しました。しかし、私たち会派調べでは46.5%と大きな開きがあります。そこから岸本区長就任前の、前から杉並区が既に達成しているものを除けば、達成率見込みは僅か26.7%、さらにその26.7%の中でも、公契約条例や生活保護のポスターを作っただけで達成とか、区長車を廃止して達成と言いつつ、庁有車を私的利用して、政党の政治集会や国会議員との新宿での個室居酒屋会食にお出かけをするなど、およそ達成したと評価することができないものも多数含まれている始末です。随分と自己評価が甘いものだと驚きを隠せません。  そもそも政治家の選挙公約「さとこビジョン」の進行管理を職員が職務として行い、かつそれを区が公式にホームページで公表することは、岸本聡子杉並区長が御自身の公約で撤廃を掲げている区長の特権以外の何物でもありません。歴代杉並区長が自身の選挙公約の進捗状況を区ホームページで公表したことはないということも副区長の答弁で明らかになりました。この答弁をもって正式に区公認特権区長、岸本聡子が誕生したことを申し添えておきます。こうしてゆがんだ区政の現状は、一日も早く改善されるべきであると指摘をしておきます。  私たち会派は、現場で汗を流し、区民と直接向き合っている職員の皆さんが日々真摯に業務に向き合い、区民生活をよりよくするため、汗をかいてくださっていることは理解していますし、感謝もしています。それにもかかわらず、岸本区政はその施策の多くで、区民福祉の向上に十分な成果を上げられていません。その原因は何かと考えれば、岸本区政の設定したゴールが間違えているのか、設定したゴールに向かう道筋を間違えているのか、もしくはその両方か、いずれにせよ、今の杉並区政は気に食わないことがあれば、露骨に嫌な顔をし、不快感を隠そうとしない高圧的区長の下、職員の能力が十分に発揮できる環境が整っていないのではないかと心の底から職員の皆様に同情をいたします。同時に、一刻も早く全職員が思う存分に能力を発揮することができる区政へ正していかなくてはいけないと、決算審査を通じて再認識いたしました。  私たち会派は、将来を見据えて日々活動しています。目の前の区民の福祉向上はもちろんですが、子の世代、孫の世代、その先の世代によりよい杉並区をつないでいくため、時には批判を受けながらも今を生きる区民の皆様に、少しずつの我慢をお願いすることは必要であると考えています。たとえ批判にさらされようとも、必要なことは言う、そして納得していただけるよう説明を尽くした上で審判を受ける、それが政治家としての在り方だと信じています。しかしながら、岸本区政にその姿勢は一切見られません。一部の支援者の声を全区民の声と主語を都合よく置き換え、ポピュリズムに振り切ったその日暮らしの施策に注力する岸本区政と、私たち会派の根底にある心情が相入れることはあり得ないでしょう。それでも私たち会派は、将来世代への責任から決して逃げることなく、よりよい杉並区を将来につないでいくため、これからも岸本区政と対峙していくことを宣言しておきます。  結びに、決算特別委員会の審査に当たり、御答弁いただきました理事者の皆様、膨大な資料作成に応じていただきました職員の皆様、正副委員長、連日遅くまで残業し、委員会運営を支えてくださいました、議会事務局の皆様に心より感謝を申し上げ、杉並区議会自由民主党の意見開陳といたします。  ありがとうございました。

議会活動の記録一覧へ

出典:杉並区議会会議録検索システム / 確認日:令和8年10月2日